しきりなおし

暗い部屋の中でコップにお湯を注いでいると
熟したバナナの匂いがした。

食べるには熟し過ぎているけど、
バナナケーキを作るなら更に時間をおいた方がいい。

鼻と脳がそう勝手に連想していた。

いっときでも集中したことは、時間が経っても感覚が残っているものだな。


読みたかったのに忘れていた本を友人が思い出させてくれて、
いま村上春樹さんの『ねじまき鳥クロニクル』を読んでいます。

発売した頃友人からかりて読んで以来。

（ここから先は少々ネタばれが含まれております。ご注意ください。）

”ノモンハン”と、皮を剥がされることしか憶えていなかったが、
今読むと、これはとても人間の関係のありかた（主に夫婦の）の話だったのだなぁ、と感じた。
いまの私の視点がそこにあるだけかも知れないけれど。

数ページ読む毎に、考えたいと過去思っていた事々を思い出し、
閉じてはもの想う。
だいたい涙が流れる。

よしもとばななさんのいつかの小説のことばをかりれば、
”必要な浄化の作業”をしている気がする。

泣く毎に顔がすっきりしている。

読み終わりたくないなぁ。


・追伸・
このページをあなたが見てくださっている時、
私はこの文章を書いた時点の私ではありません。

それが多分今までブログに感じていた違和感。

ブログを見て、誰かを少しでも知った気になるのは避けたいと強く感じています。
基本的に、
最大公約数に薄めないで、その相手と直接何らかのやりとりを交わすことが”知り合う”行為だと思ってます。


＊このページを再開するにあたり、
どうもしっくりこない文章の公開を控えました。
独断と偏見でごめんなさい。
コメントをくださった方には申し訳ないです。
いただいたコメントはきちんと保存させていただいています。感謝。